介護職の正社員を目指して紹介予定派遣を利用する人の数が増加傾向にあります。これは、派遣会社から紹介された勤務先の企業で一定期間派遣社員として勤務をした後、企業と直接雇用を結ぶ働き方です。介護は人間関係のトラブルや仕事の大変さを理由に離職をする人が多く、この点は求人情報だけで見極めるのは難しいのが実情。紹介予定派遣は一見遠回りのようにも感じられますが、働きながら自分の目で確認して判断できるので、就職後のトラブルが起こる確率を最小限に抑えられます。通常の派遣に比べて時給が高めに設定されるという金銭面でのメリットがあるのも特徴です。

前述したようにこの働き方には数多くのメリットがある反面、気を付けるべき点もあります。その一つが求人の少なさで、介護業界全体の求人件数が全国で数万件にも上ると言われているのに対して、紹介予定派遣の募集はその1/10にも見たないのが実情です。長く続けていく上で自分の希望する条件で働くことは重要とはいえ、求人が限られている以上、ある程度妥協をすることも視野に入れなくてはなりません。雇用に関する注意点もあります。一定期間の派遣業務後の直接雇用は確約されているものではなく、企業の判断に委ねられるのが特徴。本人が強く希望をしても企業側が認めなければ雇用契約を結ぶことはできません。そのため、求人に通ったからといって安心せずに、企業に必要な人間と思ってもらえるように努力と結果でアピールをしていくことが大切です。